素材と向き合い、器を満たす水のように、自由な表現で清らかな素材感を一皿の中に満たしてくれるフレンチレストラン「L'eau Blanche」。一面の大きな窓からは、店内のどこに座っても福岡の繁華街、中洲の１等地「西中洲」の川が側に見わたせます。「L'eau Blanche」とはフランス語で「白い水」を意味し、シェフ自らの苗字、白水を冠しています。

その内装を手がけたデザイナー高須学氏。自身がシェフの料理を初めて食べたとき、味の優しさと計算された繊細さに加え、器の上に描かれた「料理の色彩の美しさ」に心底感動したと言います。今回の空間デザインで一番注意注力したことは「料理の器」としての空間に徹すること。料理が主役となる、料理が「図」となるための「地」としての白い器を空間で表現することに心がけたと言います。

手法としては、土の白、紙（手漉和紙）の白、木の白、セメントの白、そして鉄の白焼付など、様々な異なる素材の「白＝素の色」を重ね合わせることにより空間全体で白い水の流れを表現しています。ただし「白」と言っても実際は「灰色」。夜耐えうるギリギリの白です。空間全体でシェフの料理のための土台、そしてこのロケーションでこその店となるようにと構想されています。

「L'eau Blanche」はネオビストロスタイルのレストランということもあり、通常のグランメゾンスタイルの店舗のような緻密な作り込みを極力避けつつ、素の潔さと清潔感や、周辺環境の借景の良さを生かしながら、料理の優しさとリンクするように空間全体も意識的に柔らかくまとめています。

今回「L'eau Blanche」のパウダールームにはデュラビットのアンダーカウンタータイプのStarck3の洗面ボウルが導入されました。シンプルで使い勝手の良いデザインが、清潔感のあるスペースを演出しています。

躍動感あふれるオープンキッチンと、窓の外のたおやかな那珂川の流れ。「静と動が共存する空間で美味なる余韻に包まれる特別なひと時を過ごしてほしい」というオーナーシェフ白石氏の想いと、それに応えるべく“人と空間、人と時間など、常に人を中心とした心地の良い「間」のデザイン”を追求してきたデザイナー高須学氏の空間が見事にマッチしたレストランです。