ミラノ南部のラルゴ・イザルコ工業地帯、街の中心地から離れた場所に位置するプラダ財団 美術館（Fondazione Prada）。2008年から始まった建設工事は、2018年最後の棟が完成しようやく完結しました。デザインは建築家Federico Pompignoli（フェデリコ・ポンピニョーリ）とRem Koolhaas（レム・コールハース）のチームが手掛けています。既存のものと新しいものが融合するこの施設は、今まで難しいとされてきた異なるエレメントを美しく繋ぎ合わせた構造です。Koolhaasは長い間使用されてきた歴史的な素材から新しくアップデートされた建築を創り出しました。

建築オフィスOMAのKoolhaasと彼のチームは“建物を実際に際立たせる方法”について、かなりの考えを巡らせました。その中で様々なゴールドの塗料を試し、特別にコーティングされた金属パネルを取り付けたと言います。ところが、光の当たり具合により、ファサードがグリーンやブラウンに見えたのです。 最終的に彼らは本物の金を使用する以外に選択肢がないという結論に達し、24Kの金箔を3Kg以上使用しました。この費用は、ミラノのプラダ財団美術館のメインタワーを完全に覆い輝かせるために必要なものだったとのこと。建物内のバスルームには、デザイナー、フィリップ・スタルクがデザインしたDURAVIT/Starck 3のトイレと、DURAVIT/Architecシリーズのトイレのが導入されました。

1910年に造られたジン蒸留所の建物がベースとなり、今日では数々の著名な展覧会が開催されるようになったプラダ財団 美術館。この28,340㎡の工業団地の敷地には博物館やギャラリーだけでなく、映画館、レストラン、オフィスビル、図書館など様々な施設が揃っています。